No.5イメージトレーニングの効果

脳のカラクリ
人間の脳は140億個もの神経細胞があり、膨大なネットワークが張り巡らされています。五感を通じて得られた外の刺激は、神経で微弱な電気信号に変換して脳に送ります。
その際脳内では「どう行動するか」を過去の記憶を元に情報処理し、体に指令を送っています。
思考活動(考えたり、判断したり等)の顕在意識は脳の約3%しか使用していません。残りの97%は「無意識」の行動、つまり潜在意識で使用しています。

脳波と潜在能力開発
人間の脳波は普段ベータ波が強く出ています。
リラックスしている時や集中した時等に脳波がアルファ波を強く出す事は良く知られています。また、アルファ波は睡眠前にも出ます。
睡眠に入るともっと深いシータ波、デルタ波が出ます。
アルファ波の状態は、脳の神経回路が活発に働きます。
この時、「脳の普段使われていない部分」、つまり潜在意識で使用している脳の回路も活発に働き出すのです。
脳波が深い状態になればなる程、潜在意識で使用している脳の領域がより活発になります。
その結果、潜在能力がより研ぎ澄まされ第六感や不思議な能力が現れやすいのです。
座禅、ヨガ、瞑想などで修行をしているのは、このアルファ波の深い状態からもっと深いデルタ波の状態を自分の意志で操れるようにする事が目的です。
「空」や「無我の境地」は言い換えれば、深い脳波の状態と言えます。
平たく言えば「起きたまま、睡眠時の脳波を出す」事ができるようになるためにトレーニングしているのです。

イメージトレーニングと潜在能力
脳の97%を使用している潜在意識では、生きるために必要な無意識下の体の働き(自律機能)のコントロールを司っています。それと共に記憶の整理もしています。
整理された記憶は脳内の「海馬」と言う部分にに蓄えられ、外からの刺激に対してどう行動するかの処理を行う際に「参照」されます。
また、記憶は繰り返す事で強い脳内ネットワークが出来ます。
同じ事を繰り返し何度もしているとそのうち考えなくても勝手に出来る様になりますよね。
自分自身で、具体的なイメージを想像すると、脳内でそれが脳内ネットワークとなります。
これをアルファ波やもっと深い脳波の状態の中で行うと、活発な脳の活動で効率良く、強い脳内ネットワークとなります。
何度も深い脳波の状態でイメージトレーニングを繰り返す事で、より「強い記憶」となります。
そして、潜在意識で処理された過去の情報、つまり強い記憶となり自分の行動の指針となるのです。

イメージトレーニングの効果の一例
例えば、最近太り気味で悩んでいる方がイメージトレーニングをしたとします。
間食をしなくなった、少しの食事の量で満足した、体の動きが軽くなった、着れなくなったお気に入りのスーツが着れた、周りの人から「やせたね」と言われたなど、自分がやせた所をイメージトレーングとして毎日想像します。
すると、その想像(イメージ)が、脳内ネットワークとして形成され、記憶として蓄積されます。
深い脳波の状態、つまり意識の深い状態で記憶として残っている為、いざ行動を起こす時に、半ば無意識にその記憶に影響されていきます。
その結果、意識をしていなくても、間食の量が減ったり、少しで満足したり、間食そのものをしなくなったと言った、イメージをした事が行動の兆候に出てくるようになります。
他にも体を動かす事が苦にならなくなったり、食事の量が少しで満足したり、高カロリーの食事よりもヘルシーな食事が欲しくなったりしていくでしょう。
そういった生活が続けば、最終的に自分のイメージした体型になっていくのです。

イメージトレーニングは潜在能力を開発、活性させるだけではありません。
今回は、ダイエットを例にとりましたが、自分の望むイメージを、イメージトレーニングしていけば、やがて現実になるのです。

◆参考ページ
潜在能力開発
イメージワーク
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