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No.1
このコラムはプロフィールの中で簡単に紹介している内容の一部始終です。
黒い影
妊娠中のある日、夜中に真っ暗な部屋へ男性の黒い影が入って来る気配で目が覚めました。
それと同時に身体が動かなくなりました。
その黒い影は茶箪笥の中を物色すると、寝ている私の体をまたぎました。
布団に掛かる足の重さを感じ、怖くて寝たふりをしつつ薄目を開けながら動向を見ていました。
そして反対側の洋服タンスの引き出しを開けて物色していました。
物色したラジオや洋服、通帳など様々なもの持ってその影が出口に向かった時、身体が動くようになりました。
慌てて電気をつけると、その影はそこにありませんでした。
嫌なものを見たなと思いつつ、その時はそのまま寝つき、翌日会社に出勤しました。
翌日、会社に近所の人から「玄関のドアの鍵が壊されている」と連絡が入りました。
家に帰ってみると空き巣に入られていました。
ラジオ、洋服、そして出産費用を貯めていた預金通帳や印鑑、保険証など
金目のものは全てなくなっていました。
昨晩、黒い影が物色していたものと同じものが。
鑑識の人達が銀粉を使い部屋中の指紋採取をしていた時に、刑事がこう言いました。
「ある所が解って取っているような犯行だ。顔見知りの犯行かも知れないが」と訊かれたその時
見た事のない20代の男性の顔が一瞬はっきりと見えました。
そのため「私の知らない人です。」ときっぱりと答えてしまいました。
逆に、おかしな挙動ととられたようで、細かい事を尋ねてきました。
自分では見えていても、それを言うと怪しがられるので、結局そのまま黙ってしまいました。
9ヶ月程経った時、突然警察から呼び出されました。
空き巣の常習犯が捕まり、私の保険証を使い、家から盗んだ商品を質屋に入れていたそうです。
小さな窓ガラス越しに、捕まった犯人の姿を見せられました。
まさしく、あの時はっきりと顔が見えていた20代の男性でした。
心の中では「この人です!」と叫んでいましたが、知らない人を見てこの人だと言っても
警察で怪しまれるだけです。
自分の中で物凄くジレンマを感じながら「知らない人です。」と答えました。
それにしても、あの黒い影は一体何だったのでしょう。
自分が予知していたのか、空き巣自身の生霊(または幽体離脱した本人)を見てしまったのか
今でも解りません。
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